腫瘍学講義で使用された資料です。考え方から用語の基礎知識、解説まで幅広く説明されています。
- 1.癌とがん
腫瘍学(oncology)を学ぶ上で必要な基礎知識…疫学から”がん”という病気に関する概念が解説されています。キーワードは”無秩序・無限”、”転移・再発”、”圧迫・撹乱”です。
- 2.がんの診断
がんを診断するにあたっての意味、内容、方法について述べた後、診断の個別化治療のの意義について説明されています。
- 3.がんの治療総論
がんの治療に関する総論が解説されています。初期治療、再発後治療、緩和医療、終末期医療という、場面に応じた治療に関する知識、局所治療・全身治療に関する知識、臨床医の思考過程に関する知識について。
- 4.がん医療とEBM-情報の吟味-
EBMの観点から、情報は真実・バイアス・偶然と虚偽捏造に分けられます。がんを語る上で”死”という観点を抜きに語れない側面の結果、アガリクスといった健康食品などが蔓延りやすい土壌があるといえます。その中で医療従事者における情報処理について必要な事は、自らの目的にかなった正確で信頼できる情報を取得し、活用する事です。その情報処理に必要な知識について説明されています。
- 5.乳がん治療最近の話題-ASCO2005-
先日行われた、ASCOから抗体治療を中心に解説してあります。bevacizumabに関してはE2100から、trastuzumabに関しては NSABP-B-31/NCCTG-N9831からの解説です。ホルモン治療に関しては、去年、NEJMにて発表されたIESに関してです。
- 6.EBMと臨床試験
ガイドラインやマニュアルは金科玉条とする物ではなく、それらを参考として目の前の患者に当てはめて治療を行う事が、EBM活用の第一歩です。その為のEBM活用方法が解説されています。
- 7.一般臨床と臨床試験
ITT解析の必要性が実際の事例に合わせて解説してあります。其の後、抗がん剤の臨床試験の流れ、目的について解説してあります。
- 8.がん臨床試験の評価項目
RECIST(固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン)の作られた経緯から使い方、定義。タイムイベントの考え方、例、kaplan-Meier法の理解、patient at riskの考え方等、臨床試験に必要な智識が解説してあります。
- 9.臨床試験における有害事象
抗がん剤の臨床試験における毒性に関する解説と、抗がん剤治療における毒性という観点から、外来化学療法の実施に関して述べられています。
- 10.これからの癌医療
事の本質を見極める事の大切さを、クリティカル思考の学び方、EBM、標準治療、情報の分類法、セカンドオピニオンを例に挙げて説いています。